こんにちは。ヨウヘイ(プロフィール)です。
今回はヨーロッパを中心とするカトリック教徒にとって、とても重要で祝日にもなっている「夏至祭」についてお話ししたいと思います。
一般的に「夏至祭」は、1年で最も日が長くなる日に行う祭として認識されています。またヨーロッパをはじめとする北欧エリアでは、聖ヨハネを祝う日として休日認定している国が多いようです。ただし、各国ともその祭りの内容は微妙に異なっており、リトアニアでは、昔は祭の呼び名も異なっていました。
理由としては、リトアニアは16世紀にカトリック教へ改宗しており、それまでは聖ヨハネではなく多神教の神を祝う祭だったためとされています。
目次
リトアニア夏至祭「ヨニネス 」
リトアニアの夏至祭は現在では「ヨニネス」と呼ばれることが一般的です。ヨニネスとはリトアニア語で「聖ヨハネ」を意味する言葉で、6月24日はカトリックを信仰する国ではイエス・キリスト、聖マリアと並ぶ聖名祝日となっています。
しかし、前項でもお伝えした通りリトアニアは16世紀になるまでカトリックを信仰していたわけではなく、バルト神話に基づく多神教を信仰していました。ある時を境にすぐカトリックへ改宗したわけではありませんが、国民に次第に根付くまではリトアニア内では夏至祭のことを「ラサ祭」と呼んでいました。
ラサ祭(Rasos)から聖ヨニネス祭へ
バルト神話の太陽神は日本と同じく女性の神様で、その名はサウレと言います。リトアニアでは古くから、夏至の日は太陽神サウレを迎え入れる日と考えられてきました。そのため、夏至祭は前日の夜から日の出の早朝まで歌ったり踊ったりしながら、日の出を待つといったスタイルの祭が各地で行われていました。
さらに日の出まで続くこの祭は、草花に夜露が付く頃まで祝うという意味も込められ「ラソス(露)」と呼ばれるようになったそうです(日本語では「ラサ祭り」と訳されている)。他にも朝露には強い生命力が宿るとも考えられていたようで、長かった冬を終え農作物などの豊作にも期待を込め各地でお祈りされたようです。

ラソスは、ヨニネスと呼ばれるようになってからもお祭りの内容は同様に続くことになります。
もちろん、地方によって多少内容が異なるようですが、基本的には歌と踊り、そして太陽を迎え入れるための「焚き火」は各地とも共通しているようです。その他には「クーポル」と呼ばれる女性の婚期を占う儀式や恋人同士が互いの幸せを願って火を飛び越えるといったような儀式を行うところもあるようです。

リトアニアで最大の夏至祭
リトアニアでは各地で夏至祭が行われていますが、その中でも最も参加人数が多く開催エリアも最大と呼ばれているのが「ケルナベ」のヨニネスです。

ケルナベは「リトアニアのトロイ」とも呼ばれ、紀元前から住居が確認されているリトアニアの重要な遺跡地で、ユネスコ世界自然遺産にも認定されています。
こちらで行われるヨニネスも、基本的には他と異なる特別なイベントが行われるわけではありませんが、紀元前に居住地があったということでよりリトアニアの古い時代のスタイルを残しているものと言えるかもしれません。
会場周辺は屋台なども出ていて、食事や飲み物、子供が喜びそうなおもちゃなども売っています。また祭りへの参加者はとても多いものの、ケルナベの丘は敷地がとても広いため芝生にシートなどを敷いてそれぞれゆったり座ることが可能です。

まとめ
いかがでしたか?
今回はリトアニアで夏のクリスマスとも言われる夏至祭についてご紹介しました。日本ではあまりイベントとして取り上げられることの少ない夏至ですが、キリスト教の国ではとても親しみのあるイベントとして長く続いてきています。
旅行で海外を訪問する際にも、時期が重なっているようであればぜひこういったイベントに参加してみるのも良いと思います。
同じヨニネスでも、各国ともそれぞれの特徴が異なったりしている場合もあるので、そういった点を探しながら楽しんでみるのも良いかもしれませんね。
