この記事は個人が公開情報をまとめたもので、法的な助言ではありません。申請の前に必ず移民局・大学・大使館の最新の案内で確認してください。この記事の数字は全部、公式ページ(開けないものは Wayback の保存版・法律事務所の解説と明記)に書いてある値をそのまま載せています(出どころは記事の末尾に一覧)。書いていないことは「未確認」と書きます。円には換算しません。在留許可の一般論(根拠の選び方・VFS 東京・更新・住所申告の全体)は リトアニアの在留許可とビザ 2026 に書いたので、ここでは 学生に固有の所だけ を扱います。
目次
0. 結論(3 行) 1. この記事が効く人・効かない人 2. 手順(入学許可から到着後まで) 3. 必要書類(公式ページ・大学の案内に書いてあるものだけ) 4. 費用と期間(EUR。円は書かない) 5. よくあるつまずき 6. 2025〜2026 で変わったこと(「新着・制度の変更」欄と同じ 1 行。一覧は /updates/) 7. 一次ソースと最終確認日
0. 結論(3 行)
大学の学位課程に正規留学する人は、国家ビザ D ではなく学業を根拠にした一時在留許可 (leidimas laikinai gyventi studijų pagrindu/study-based temporary residence permit/学業の一時在留許可。以下 TRP)を申請する。移民局は 2023-07-01 から「正規の学生には国家ビザを出さない」と告知している。交換留学で 90 日を超える人は国家ビザ D (nacionalinė viza/national visa (D)。手数料 140 EUR)
申請は大学の入学許可(と大学が出す仲介状)を受けてから MIGRIS でオンライン → 4 か月以内 に VFS 東京か移民局で生体情報。審査は およそ 45〜90 日 (MiCenter)、外務省の案内では最大 4 か月 。初回は警察証明(アポスティーユ付き) が要る。リトアニアの在外公館経由だと発給に 2〜3 か月かかるため、外務省は日本で先に取るよう勧めている
資金証明は 月 1,153 EUR (2026 年。MiCenter)、保険は 30,000 EUR 以上 (大学・MiCenter のビザ D の案内)。在学中は就労許可なしで働けるが、学士 1・2 年生は週 20 時間まで (2026-05-22 施行の改正。法律事務所の解説=二次情報)。卒業後は 12 か月の TRP で求職・就労できる(MiCenter)
1. この記事が効く人・効かない人
効く: 日本国籍 で、リトアニアの大学・大学院に正規留学 (学士・修士・博士)する人/日本の大学から交換留学 (1 学期〜1 年)する人/卒業後もリトアニアで働きたい留学生
効かない: EU/EEA 国籍の人(大学の案内でも手続きが別)/日本以外の国籍の人(この記事は日本国籍の扱いだけを確かめた。申請できる VFS の事務所は国籍で違う=移民局 2025-10-22)/高校生の留学(ここでは高等教育だけを扱う)/奨学金を探している人 は 奨学金一覧 、入国時の EES・90/180 日 は 入国の手続き を先に
2. 手順(入学許可から到着後まで)
2.1 まず「正規留学」か「交換留学」かで道が分かれる
立場
申請するもの(原語/英語/日本語)
期間
出どころ
学位課程の正規留学(学士・修士)
学業の TRP(leidimas laikinai gyventi studijų pagrindu/study-based TRP)
在学期間に合わせて最長 2 年 ・更新可
MiCenter(2026-10-26)
博士課程
同上
最長 3 年 ・更新可
MiCenter(2026-10-26)
交換留学(90 日超)
国家ビザ D(nacionalinė viza/national visa (D))
最長 12 か月 。1 年のビザの後は失効から 180 日を超えないと次の国家ビザは取れない
MiCenter(2026-10-26)・VILNIUS TECH(2026-10-26)
交換留学(90 日以内)
外務省は「90 日以内であっても就労や留学等を目的とする滞在の場合は、その目的に応じた査証または一時滞在許可が必要」と案内。日本国籍の短期の交換留学に何が要るかは大学の案内に日本向けの記載が無く未確認 (2026-10-26 時点)
−
外務省 安全対策基礎データ(2025-02-17 更新・2026-10-26 確認)
卒業した人
卒業後の TRP(求職・就労・自営)
12 か月
MiCenter(2026-10-26)
正規の学生に国家ビザ D は出ない : 移民局の 2023-06-14 の告知(2023-07-01 施行)は、国家ビザを出さない対象に「リトアニアの高等教育機関で学ぶ正規の学生」を挙げ、「国家ビザではなく一時在留許可を申請する」としている。VILNIUS TECH の案内も同じ。一方、交換留学生は国家ビザ D を出す対象に入っている
Study in Lithuania の「両方を来る前に」との食い違い : Study in Lithuania のビザのページは「国家ビザ D と一時在留許可の両方を 、来る前に申請する」と書いている(2026-10-26 時点の表示。ページの更新日は無い)。移民局と大学の案内とは食い違うので、どちらで申請するかは MIGRIS の申請画面と進学先の大学の案内で確かめる
2.2 正規留学(学業の TRP)の順序
出願して入学許可(Letter of Acceptance)を受ける 。出願締切は大学ごとに違う(奨学金一覧 の表)。MiCenter は「学業の TRP を間に合わせるため、留学生は早めに出願するよう」勧めている
大学から仲介状(tarpininkavimo raštas/mediation letter・facilitation letter)を受ける 。MiCenter は学業の TRP に「学術・教育機関の仲介状」が要ると書き、VILNIUS TECH は申請に「仲介状の番号(大学が出す)」を書くよう案内している
日本で書類をそろえる (下の 3 章)。特に警察証明は在外公館経由で 2〜3 か月かかる(外務省)ので、入学許可を待たずに準備を始められるかを大学に確かめる
MIGRIS(www.migracija.lt)でオンライン申請 。VILNIUS TECH の案内の道筋は「For Foreigners → To get an electronic service → Citizenship → I want to get a residence permit in Lithuania → I want to receive a temporary residence permit → Studies → I am a student → Apply for a permit」
4 か月以内に生体情報と原本を出す 。日本からなら VFS 東京、現地なら移民局。2025-10-22 から VFS の予約は MIGRIS の中でだけ取れる (申請の状態が「Submitted to the external service provider」になると「Book a visit」が出る。移民局 2025-10-22)。日本国籍は VFS のある 30 か国のどの事務所でも申請できる
審査を待つ : MiCenter はおよそ 45〜90 日 、外務省は最大 4 か月 と案内。進み具合は MIGRIS の自分のアカウントで見られる
カードを受け取る : リトアニアの移民局か、国外の VFS で受け取れる。MiCenter は「国外で受け取ると時間がかかることがある」と書いている
到着後 : 在留カードの受領から 1 か月以内に住所を申告 (エルダーシップ seniūnija か、カード受領時に移民局で。寮に住むなら寮の管理者の同意を取る。MiCenter)。未申告は警告か 10〜14 EUR の罰金(International House Vilnius)。3 か月以上住むなら日本の在留届 も(外務省)。住所申告・在留届・健康保険の全体は 在留許可とビザ の 2.2
更新 : 期限の 2 か月以上前 に MIGRIS から。MIGRIS は 120 日前と 60 日前に知らせる(MiCenter)
2.3 交換留学(国家ビザ D)の順序
受け入れ大学から仲介状 を受ける(VILNIUS TECH は「受け入れが決まった学生にだけ、求めに応じて出す」)
MIGRIS で国家ビザ D をオンライン申請 し、書類のデジタルの写しを付ける
申請後に本人が出向く予約 を取り、生体情報と原本を出す(VFS・大使館・在留中なら移民局。VILNIUS TECH)
申請・予約は早めに(VILNIUS TECH「ビザの処理に予想より時間がかかることがある」)
3. 必要書類(公式ページ・大学の案内に書いてあるものだけ)
書類
書いてあること
出どころ(2026-10-26)
パスポート
学業の TRP: TRP の終わりから 6 か月以上 有効(VILNIUS TECH)。国家ビザ D: 10 年以内 の発行・空白 2 ページ以上・ビザの終わりから 3 か月以上 有効(MiCenter)
VILNIUS TECH・MiCenter
仲介状
学業の TRP は学術・教育機関の仲介状(MiCenter)。申請に仲介状の番号(VILNIUS TECH)
MiCenter・VILNIUS TECH
資金の証明
月 1,153 EUR (2026 年。最低賃金と同じ額)。TRP の期間分(少なくとも 1 年分)。銀行の残高証明・労働契約など。研究目的と未成年は半額 (学生が半額の扱いかは書いていない=未確認)。国家ビザ D は別に帰国費用として月額最低賃金 1 か月分 (MiCenter)。VILNIUS TECH は「1 年 8,077 EUR 。本人か親の口座。直近 6 か月の残高証明か給与明細の原本」と書いている(MiCenter の月額との関係は未確認)
MiCenter・VILNIUS TECH
保険
国家ビザ D: リトアニアとシェンゲン全域で有効・30,000 EUR 以上 (MiCenter)。VILNIUS TECH は正規留学生の TRP に「リトアニアで有効な 1 年分の海外旅行保険・30,000 EUR 以上」、交換留学生に「在学期間全体・緊急医療費と本国送還を補償・30,000 EUR 以上」。MiCenter の TRP のページは「健康保険」とだけ書き、額の記載なし。外務省は「リトアニアへ入国・滞在する日本人は海外旅行保険への加入が義務」
MiCenter・VILNIUS TECH・外務省
警察証明
TRP の初回申請で提出が義務 ・アポスティーユ が要る・在外公館で 2〜3 か月(外務省)。VILNIUS TECH は「直近 2 年をカバー・到着前に居住国で発行・アポスティーユ・公認翻訳者によるリトアニア語訳」。外務省が挙げる日本国籍の免除の条件 は「就労契約・法人での就労・合法的な活動・特定の専門職」に従事する場合で、学業は挙がっていない (学生が免除になるかは未確認)
外務省・VILNIUS TECH
住まい
住む場所があることの確約(MiCenter)。VILNIUS TECH は賃貸契約・家主の申立てなどと、到着後に住所を申告する誓約
MiCenter・VILNIUS TECH
学歴の書類
VILNIUS TECH は卒業証書・成績証明・警察証明を原語+英訳・公証・アポスティーユで出すよう案内(大学ごとに違う。進学先の案内で確かめる)
VILNIUS TECH
その他
写真(デジタル)・過去 10 年に訪れた・住んだ国の一覧(VILNIUS TECH)・手数料の納付の証明(MiCenter)
VILNIUS TECH・MiCenter
4. 費用と期間(EUR。円は書かない)
項目
金額・期間
出どころ(確認日)
学業の TRP の国家手数料
80 EUR (通常の手続き)。移民局の料金表の 2026-10-02 保存版 の値。2026-10-03 の手数料改定(日付は移民局の告知の題「Nuo spalio 3 d.」と Work in Lithuania 2026-10-20 版。移民局の原文は未確認)の後の学生の額は未確認
移民局 料金表(Wayback 2026-10-02 保存版。2026-10-26 確認。本体は 403)
TRP の国家手数料(一般)
220 EUR(90 日)/急ぎ 440 EUR(45 日) (額は MiCenter。2026-10-03 からの額であることは移民局の告知の題「Nuo spalio 3 d.」と Work in Lithuania 2026-10-20 版。移民局の原文は未確認)。MiCenter のページは学生向けの額を分けて書いていない
MiCenter(2026-10-26)・Work in Lithuania 2026-10-20 版
卒業後の TRP
学業・研究を終えた外国人は、一般の手続きの TRP の手数料が本人の選ぶ 1 回だけ無料 (2026-10-02 保存版。改定後の扱いは未確認)
移民局 料金表(同上)
国家ビザ D(交換留学)
140 EUR (法律で免除される場合を除く)
MiCenter(2026-10-26)
VFS のサービス料
日本の VFS は 125 EUR (発行された文書の VFS への配送を含む。2025-04-30 保存版)。MiCenter は「国によって 30〜120 EUR」と書いており食い違う。VILNIUS TECH は「VFS が郵送料として 30〜100 EUR を別に取ることがある」
移民局 日本の VFS 案内(Wayback 2025-04-30 保存版)・MiCenter・VILNIUS TECH(2026-10-26)
警察証明
在外公館で申請すると発給まで概ね 2〜3 か月(日本国内で取る場合の日数は未確認)
外務省(2026-10-26)
TRP の審査
およそ 45〜90 日(MiCenter)/最大 4 か月(外務省)
MiCenter・外務省(2026-10-26)
生体情報の提出の期限
オンライン申請から 4 か月以内
MiCenter(2026-10-26)
有効期間
学業の TRP 最長 2 年(博士 3 年)・国家ビザ D 最長 12 か月・卒業後の TRP 12 か月
MiCenter(2026-10-26)
住所申告の罰金
警告か 10〜14 EUR
International House Vilnius(2026-10-26)
5. よくあるつまずき
正規留学なのに国家ビザ D を探す → 2023-07-01 から正規の学生は TRP(移民局・VILNIUS TECH)。Study in Lithuania のページの「両方」の書き方との違いは 2.1 のとおり
警察証明を後回しにする → 在外公館経由だと発給に 2〜3 か月、アポスティーユが無いと断られる例がある(外務省)。VILNIUS TECH はリトアニア語の公認翻訳も求めている。学業は外務省の挙げる免除の条件に入っていない
資金証明の額を 1 つの数字だけで決める → MiCenter は月 1,153 EUR、VILNIUS TECH は 1 年 8,077 EUR と書いている。進学先の大学の案内と MIGRIS の申請画面の両方 を見る
保険の補償額が足りない → 大学の案内は 30,000 EUR 以上・在学期間全体(交換)・1 年分(正規)。緊急医療と本国送還の補償を求める大学もある(VILNIUS TECH)
学士 1・2 年生がフルタイムで働く → 2026-05-22 施行の改正で週 20 時間まで (大学の定める夏休みと、課程に定められた実習の期間は除く)。2026-05-21 より前に学業の TRP を受けた人は対象外 。法律事務所 Sorainen の解説は「守らないと TRP の更新が認められず、今の許可も取り消される」と書き、例外の範囲は「はっきりしない」として新しく雇う人には 20 時間を守るよう勧めている(いずれも法律事務所の解説=二次情報。法文は e-seimas が開けず未確認 )。修士・博士の学生の時間の扱いは解説に書いていない(未確認)
就労許可を取りに行く → 学業の TRP があれば就労許可は要らない(MiCenter)
家族を呼ぶのを先送りにする → 家族の呼び寄せには通常「本人が直近 2 年住み、1 年以上有効な TRP」などが要るが、修士・博士の学生は待つ期間なしで家族を呼べる例外 がある(MiCenter)
卒業したら帰るしかないと思う → 卒業後 12 か月の TRP で求職・就労・自営ができ、仕事が見つかればすぐ働ける(MiCenter)。リトアニアの大学の卒業生(卒業後 5 年以内)には 2026 年の就労クォータがかからない (Work in Lithuania 2026-06-10 版)。在学中の学生も、学業の TRP のままならクォータの対象外(同)
在留許可の期限を過ぎる → 期限を過ぎたら、有効なビザか査証免除の資格が無い限り出国が必要(MiCenter)。更新は 2 か月以上前に
6. 2025〜2026 で変わったこと(「新着・制度の変更」欄と同じ 1 行。一覧は /updates/ )
2026-11-01(予定) : 在留許可の申請は、リトアニアでの合法な滞在の根拠(有効な TRP・リトアニアの国家ビザ D・他の EU の在留許可・査証免除での滞在など)がある場合に限る。法律事務所 2 社の解説で範囲が食い違う (TRINITI は TRP の申請全般、Sorainen は非高度人材の就労 TRP として説明)。両社とも根拠の例に「査証免除での滞在」を挙げている。二次情報で、法文は未確認
2026-10-03 : TRP の国家手数料が一般 220 EUR/急ぎ 440 EUR に(額は MiCenter。日付は移民局の告知の題「Nuo spalio 3 d.」と Work in Lithuania 2026-10-20 版。移民局の原文は未確認)。学生の 80 EUR が改定後どうなったかは未確認
2026-05-22 : 外国人の法的地位法(Užsieniečių teisinės padėties įstatymas/Law on the Legal Status of Foreigners)の改正。学士 1・2 年生の就労は週 20 時間まで 。リトアニアの学位・職業訓練を修了した人が非高度人材の就労 TRP の要件(資格・経験・平均賃金)を免除される期間が 10 年 → 5 年 (Sorainen・TRINITI の解説=二次情報。採択日は 5/14 と 5/5 で 2 社が食い違う)
2026-01-01 : 在留許可の生活費の基準が月 1,153 EUR (最低賃金と同額。MiCenter)
2026(就労クォータ) : 2026 年のクォータ 24,706 は学生・卒業後 5 年以内の卒業生にかからない(Work in Lithuania 2026-06-10 版)。クォータの消化の経緯は 在留許可とビザ の 6 章
2025-10-22 : VFS の予約は MIGRIS の中でだけ。日本国籍は VFS のある 30 か国のどの事務所でも申請できる(移民局)
2023-07-01 : 国家ビザ D は MIGRIS 経由で移民局が審査。正規の学生は国家ビザ D の対象外になり TRP へ。交換留学生は国家ビザ D の対象(移民局)
7. 一次ソースと最終確認日
未確認(公式ページに記載なし・開けなかった。2026-10-26 時点): 2026-10-03 の改定後の学業の TRP の手数料と、修了者の 1 回無料の扱い/学生の生活費が半額の扱いか(MiCenter の月 1,153 EUR と VILNIUS TECH の 1 年 8,077 EUR の関係)/MiCenter の TRP のページの保険の額/学生が警察証明の免除に当たるか/日本国籍が 90 日以内の交換留学で何を申請するか/Study in Lithuania の「両方を申請」と移民局の告知のどちらが今の扱いか/2026-05-22 改正の法文(e-seimas が 403)・採択日・修士と博士の就労時間の扱い/2026-11-01 の制限の範囲(TRP 全般か就労 TRP だけか)/VFS 東京のサービス料の今の額(移民局の案内は 2025-04-30 保存版の 125 EUR、MiCenter は 30〜120 EUR)/在留中の学生の健康保険 PSD の加入の扱い。