最近のリトアニアに関するニュースの中で、特に日本人のビジネスパーソンや起業家に関心のある動きをまとめました。
この記事では、よくある誤解を解消し、リトアニアでのビジネス展開の背景・メリット・実生活のポイント をわかりやすく解説します。
目次
- ニュースの概要と背景
- 日本人ビジネスパーソン・起業家への影響
- 渡航・移住前に知っておくべきポイント
- 現地生活Tips
- まとめ
📰 ニュースの概要と背景
近年、バルト三国のデジタル国家として知られるリトアニア、特に首都ビリニュス(Vilnius)が、EU市場へのゲートウェイとして急速に注目を集めています。IT分野、特にフィンテック、サイバーセキュリティ、SaaS、ゲーム開発などにおける成長が顕著で、多くの国際企業やスタートアップが拠点を構えています。
しかし、日本人の間では「e-Residency」という言葉と混同されがちです。世界的に有名なこの制度は、隣国エストニアのものであり、リトアニアには同じ名称の公式プログラムは存在しません。リトアニアが提供するのは、独自のデジタル化された行政サービスと、外国人起業家向けの魅力的な制度です。
💡 ポイント: リトアニアはEU市場へのアクセスが容易で、西欧諸国に比べてコストを抑えながらビジネスを展開できる点が大きな魅力です。
🇯🇵 日本人ビジネスパーソン・起業家への影響
リトアニアでのビジネス展開は、日本人ビジネスパーソンや起業家にとって、多くのメリットと特有の制度をもたらします。
- 生活・事業コスト面: ロンドンやベルリンといった西欧主要都市と比較して、優秀なIT人材の人件費やオフィスの賃料を30〜50%程度に抑えられる可能性があります。これは、スタートアップや中小企業にとって大きな競争力となります。
- デジタル行政の利便性: 法人登記、納税申告、各種申請の多くがオンラインポータルで完結するため、物理的に役所に行く手間が大幅に削減されます。これにより、事業運営のスピードが向上し、起業家はコア業務に集中しやすくなります。
- ビザ・居住許可: 非EU圏の起業家向けに「スタートアップビザ(Startup Visa)」制度があり、革新的なビジネスアイデアを持つ方がリトアニアで事業を立ち上げるための滞在許可を得やすい環境が整っています。また、現地の企業に雇用される場合は「就労ビザ」が必要です。
- 人材確保: 若い世代を中心に英語が堪能で、フィンテック、サイバーセキュリティなどの分野で経験豊富なIT人材が豊富です。IT業界の公用語は実質的に英語であり、国際チームを組成しやすい環境です。
- エコシステムの活発さ: Invest Lithuania(リトアニア投資庁)やStartup Lithuaniaなどの政府機関が外国企業の進出をワンストップで支援しています。また、Vilnius Tech ParkやRockitといったコワーキングスペース兼コミュニティハブでは、ネットワーキングの機会が豊富です。
✈️ 渡航・移住前に知っておくべきポイント
リトアニアでのビジネスやキャリアを検討する上で、事前に知っておくべき重要なポイントと具体的な対策を解説します。
「e-Residency」の誤解とリトアニアでの代替策
多くの日本人が混同しがちな「e-Residency」はエストニアの制度です。リトアニアには同名の制度はありませんが、以下の方法でビジネスを始めることが可能です。
- オンラインでの法人登記: 非居住者でもオンラインで法人(UABと呼ばれる有限会社が一般的)を設立する手続きが整備されています。プロセスを円滑に進めるためには、現地のサポート企業や法律事務所の利用が現実的です。
- 電子署名(Mobile-ID / Smart-ID): リトアニアの居住許可を持つと利用できるモバイルアプリベースの電子署名です。これにより、銀行取引や行政手続きの多くがオンラインで完結します。
- スタートアップビザ(Startup Visa): 革新的なビジネスアイデアを持つ非EU圏の起業家が、リトアニアで事業を立ち上げるための滞在許可を得やすい制度です。審査を通過すれば、1年間の滞在許可が得られ、延長も可能です。
課題と対策
- 銀行口座開設のハードル: 非居住者に対するマネーロンダリング対策(KYC/AML)が厳格化しているため、審査に時間がかかったり、追加書類を求められたりすることが多いです。
- 対策: 現地の法律事務所やコンサルタントは、銀行とのコネクションを持っていることが多く、手続きをスムーズに進めてくれます。また、RevolutやWiseなど、EU内で広く使われているオンライン金融サービスを補助的に活用するのも有効です。
- 税務・労務の複雑さ: 日本とは異なる法人税、VAT(付加価値税)、社会保険料の計算、雇用契約のルールなど、専門知識が不可欠です。
- 対策: 現地の会計事務所に記帳代行から税務申告までを委託するのが一般的です。また、現地法人を設立せずにリトアニアの人材を雇用したい場合は、EOR (Employer of Record) サービスを活用することで、法的な雇用主が給与計算や税務、社会保険手続きを全て代行してくれるため、コンプライアンスリスクを回避できます。
- ビザ・居住許可の申請: 日本人は非EU国民のため、90日を超えて滞在・就労するにはビザや居住許可が必須です。
- 対策: 自身の状況に合ったビザ(創業者ならスタートアップビザ、被雇用者なら就労ビザなど)を特定し、早めに準備を進めることが重要です。申請から許可が下りるまで数ヶ月かかることもあるため、計画的な準備と、必要であれば移民専門の弁護士への相談が確実です。
最新の情報源とアクションプラン
- 情報源:
- Invest Lithuania:外国企業の進出をワンストップで支援する政府機関。
- Startup Lithuania:国内のスタートアップエコシステムを推進する組織。
- 在リトアニア日本大使館:経済関連の情報収集や相談。
- 最初の一歩:
- オンラインでの情報収集と相談: 上記情報源を確認し、現地の法律事務所や会計事務所にオンラインでコンタクトを取り、初回相談(無料の場合も多い)を申し込む。
- 小規模なテスト(PoC): 現地法人設立の前に、まずはリトアニアのフリーランスと業務委託契約を結んでみる、あるいはEORサービス会社に見積もりを依頼し、1名採用した場合のトータルコストを把握するなど、小規模なテストから始める。
- 現地訪問: 可能であればビリニュスを訪問し、コワーキングスペースで仕事をしたり、スタートアップ関連のミートアップに参加したりして、現地の雰囲気とネットワークを肌で感じる。
🌿 現地生活Tips
リトアニアでのビジネスは効率的であるだけでなく、国際的な環境で充実した生活を送ることも可能です。
- 英語でのコミュニケーション: IT業界では英語が実質的な公用語となっており、ビジネス上でのコミュニケーションに困ることは少ないでしょう。若い世代を中心に高い英語力を持っています。
- 活発なコミュニティ: スタートアップエコシステムが活発なため、様々なイベントやミートアップが頻繁に開催されます。積極的に参加することで、貴重なビジネスネットワークを構築できるだけでなく、現地での生活を楽しむきっかけにもなります。
- デジタルライフの恩恵: 行政サービスだけでなく、公共交通機関のアプリや銀行のモバイルサービスなど、生活の様々な場面でデジタル化が進んでいます。これらのサービスを使いこなすことで、日々の生活が非常にスムーズになります。
📌 まとめ
リトアニア、特にビリニュスは、EU市場へのアクセス、コスト競争力、優秀なIT人材、そして活発なスタートアップエコシステムを持つ、日本人ビジネスパーソンや起業家にとって魅力的な国です。多くの方が「e-Residency」と混同しがちですが、リトアニアには独自のデジタルインフラと外国人起業家を支援する制度が整っています。
銀行口座開設やビザ申請、税務・労務といった課題はありますが、適切な情報収集と現地の専門家を活用することで、これらを乗り越え、成功への道を切り開くことができます。まずは一歩を踏み出し、リトアニアの持つ無限の可能性を探ってみてはいかがでしょうか。


